社会人になってから、昇格や仕事上の理由で、英語学習を始める方も多いと思います。
私もそのうちの一人でした。
その際、即使える英語を身に付けたいと思って、「オンライン英会話」や「単語やフレーズの丸暗記」から始める方が多いのではないでしょうか。
しかし、その方法では、永遠に単語やフレーズの丸暗記から逃れることができません。
英語を話せるようになるには、中学校レベルの文法でも大丈夫なので、しっかり文法の勉強をしておく必要があります。
この記事では、
・社会人から英語を始めた人
・「英文法」の勉強方法をどのように勉強して良いかわからない人
・英文法を勉強するメリットが見出せない人
上記の方向けに、文法を学んだ方が良い理由と、具体的な英語文法の学習のステップをお伝えしていきます。
英文法を学習する理由
英文法を学習する理由は
・自分で英作文ができるようになる。
・英文を丸暗記するより効率が良い。
・英文の理解力とスピードがアップする。
巷には「英文法を学習する必要はない」という方々もいらしゃいますが、結論からお伝えすると、文法の知識は英語の習得に不可欠です。
なぜなら、英文法は、英語の単語を正しい語順で並べるためのルールです。
このルールにもとづく、英単語の組み合わせ方が分かれば、いくつでも応用して英文が作ることができるようになるほか、英語を英語の語順のまま理解ができるようになります。
私も、英文法の学習をせずにオンライン英会話から、英語の勉強を始めたことがあります。
その時は、場面ごとの英語表現を暗記して話すレッスンを受けていました。
しかし、その暗記した英文以外の応用ができず、また覚えた英文自体も日常では全く使う場面がなく、3ヶ月くらいでその効果に疑問を覚え、やめてしまいました。
そのあと、英文法を学習し、瞬間英作文を繰り返していくと、暗記をしなくても場面に応じた英語の表現をいくつも作り出すことができるようになりました。
英文法を学習することは、遠回りのようで、一番英会話の習得を早めることに役立ちます。
ただし、英文法を勉強して知っている=使える英文法ではない
「中学英語を勉強したところで、英語が話せるようにならない」
と、お考えの方。また、
「TOEICの対策で基礎の文法も理解しているし、テストの文法問題も完璧に解くことができるのに、話せない」
という方も多いのでは。
品詞の名前・文の構造・文法用語を理解していて、問題集は問題なく正解ができるし、本を読んでいても理解はできるけれど、実際に話たりする時に文法がぐちゃぐちゃ、という状態ではありませんか?
これは、英語を「無意識のうちに使えるレベル」まで定着していないというところに原因があるといえます。
例えるならば、野球。
バットの振り方は本で学んで理解はしている状態でも、実際に打席に立った時に打てるとは限りません。
英文法の学習も同様です。
反復練習し、無意識に文法が使えるレベルまで定着を図ることがポイントです。
日本人の英語学習は、教材で学ぶという方が多く、実際に英語を使うという練習が圧倒的に少なくなっています。
そのため、次から解説する方法で文法を使える状態になるまで学習をしていきましょう。
【注意】文法の正しさだけが重要ではない。
一方で、文法の正しさだけを気にして、発言できないのも本末転倒。
発言して、間違えて修正して行くことが重要です。そのところは誤解のなきよう。
ちなみに私も三単現のSが抜けていたり、時制の一致を間違ったりなど今でもたくさんしています。
でも、よく考えてみると、私たちも「正確な日本語」って話せないですよね?
それと同じようにネイティブも正しい文法で話せているわけではないので、細かい文法の正しさには拘らないようにしましょう。
ただ、致命的な文法の間違いをしてしまうと全く通じなくなるので、その部分が認識できるまでには、文法学習を進めておきましょう。
使える英文法の学習方法
お好みの中学校英語文法教材を1冊使って、完璧に覚える
早速ですが、英文法の学習方法についてお話していきます。
最初は、テキストを使って、学習をしていきましょう。
ただし、文法用語は覚えなくても問題ありません。単語の並べ方と、使い方さえわかれば十分です。
テキストは、ちゃんと英文法の解説がなされていて、中学校3年分の文法が網羅されていればなんでもOKです。
そのテキストで2〜3周学習し、確認問題はすくなくとも満点取ることができる状態にしてください。
下記、おすすめの英文法を記載していきます。
ただ、どの参考書も理解しやすいものですので、各種レビューや画像検索で中身を見たり、実際に書店で中身を見て、気に入ったテキストを購入してください。
■キク英文法
あのatsuさんおすすめ英文法書。問題は少なめですが、例文が使いやすい物ばかり。
■Mr. Evine の中学英文法を修了するドリル
問題多めで理解度確認をしたい人向け
■中3英語をひとつひとつわかりやすく。
とても優しい解説と、少ない文字量でサクサク進みます。
■Grammar in Use
基礎英語力と単語をお持ちの人で、英語で英語を学びたい人向け。
意味を意識し、その場面をイメージしながら音読
上記テキストの例文や、解いた問題の英文を音読しましょう。
英文を素早く理解するためには、英文のままの語順で意味を理解しなければいけません。
音読をすることで、いやがおうにも、文章の頭から理解しなければいけないため、英語の語順の回路ができるようになります。
さらに、その英文の場面を頭の中で想像しながら音読すると、「この場面のニュアンスは、この文法を使うのか!」と理解できるようになります。
このニュアンスを覚えるという学習は、あとあとの学習でも活きてきます。
理解した英文法事項を使って、実際に英作文し、口に出して読む
使える英文法が増えてきたら、今度は覚えた英文法を使って、自身にまつわる英語の文章を作ってみましょう。
英語で日記をつけるのでも良いですし、自己紹介文を作ってみるのもおすすめです。
さらに、映画を見たり、本を読んだ時は、その感想を英語で呟いてみましょう。
もし、英語にする文章が思い浮かばない方は、「瞬間英作文」を試してみることをおすすめします。
使える英文法を使って、自身に関係する言葉をどんどん英作文をしてみてください。
その際に意識してほしいのは、
・身に染み込ませるがごとく、何度も口に出して呟いてみる。
・表現できない事項が出てきたら、言いやすい言葉に言い換えるか、もしくは調べる。
(調べたことは必ず覚えるよう、何度も口にだすこと)
・英作文のスピード
・身に染み込ませるがごとく、何度も口に出して呟いてみる。
口に出して、自身の発音した音を聞くという学習方法は、多くの感覚を使っているので、記憶の定着力もよいとの研究もあります。
福沢諭吉などの著名人もこの方法を使って、英語を学習していたとのことでした。
覚えられるまで口に出してみましょう。
表現できない事項が出てきたら、言いやすい言葉に言い換えるか、もしくは調べる
英作文を続けていくと、自身の持っている語彙や英文法だけでは作ることができない文章もでてくるかと思います。
そのような表現は積極的に調べて、自身の語彙や表現力を向上させてみましょう。
できる限り、この場で覚えることを目標にしますが、忘れてしまっても大丈夫。
人間の記憶は忘れたことを思い出すことで記憶の定着が進むようです。
学習するベストなタイミングと思い出すスピードの相関性:エビングハウスの忘却曲線
忘れることを恐れず、繰り返して覚えるようにしましょう。
また、大抵の場合、日本語→英語にできない場合、難しい表現を考えてしまっている場合がほとんどです。
例えば「彼女は猫をかぶっている」はなんと表現するか知っていますか?
「She wears cat・・・?」
ぶっちゃけ伝わりません。
どちらかというと「彼女は彼女自身を隠している」とか、「彼女はおとなしいフリをしている」という自身で表現できそうな日本語に直してみてください。
この訓練をすることで、自身の持っている語彙だけで英会話も対応ができるようになります。
(もちろん語彙や表現力は豊かであることに越したことはありませんが、そこまでのレベルになるには相当な時間と努力が必要なので、緊急回避です)
英作文のスピード
英語の学習において、スピーキングもリスニングもライティングもスピードが必要になっています。
日本語→英語の英作文をする際に、スピードを意識していれば、スピーキングの出だしの速さにつながりますし、結果的に理解(リスニング)のスピードのアップも見込めます。
時間のない方でも、下記は最低限理解できるようにしましょう。
・ 第5文型(SVOC)だけでも押さえる。
・「品詞」と「文の要素」を区別する。
・品詞の働きを少し覚える。
・単語一語ではなく「句」や「節」という見方を身に付ける。
さらに使える英語文法力を身につけたい方は、英作文の際に下記を意識しましょう。
・否定文と疑問文に変える。
・時制を変える。
・一部の単語を入れ替える。
・オンライン英会話を受講してみる。
私は2020年からオンラインレッスンを始め、約1000回のレッスンを受けてきました。(ネイティブキャンプでの複数回のレッスンや各種無料体験レッスンも含む)
明らかにオンラインレッスンを始めるようになって、英語の出やすさが段違いに変わりました。
2018年から英語を勉強し始め、英文法のテキストを1周して、わからない文法をこのテキストで何度か調べながら英作文+瞬間英作文をしていました。
その時は、使える語彙や文法が増えていき、簡単な表現であればすぐに表現ができるようになっていったのですが、やはり一定のレベルから伸びの悪さを感じてきました。
その時に受けたオンラインレッスンが楽しくて、続けていると、最初はたどたどしかった英語も、半年をすぎる頃にはスラスラ出てくるようになったんです。
自身の使い慣れた英文法だと、その頃にはまさに「英語」→「英語」で理解するレベルにまでなっていました。
オンラインレッスンが苦手、という方は日本人相手のレッスンでも構いません。
英語で発話をする機会を増やして行くことをお勧めします。
まとめ
英文法はその学習の面倒くささから敬遠されがちな学習です。
しかし、文法自体は数えるほどしかありませんし、単語や表現とは異なり終わりの見える学習です。
しかも、英文法を覚えることで、その効果はあまりあるほど。
英語の表現を丸暗記するよりもはるかに効率的に今後の英語学習を進めることができます。
そして、英文法学習で重要なのは、「知っている英文法を使える英文法にすること」。
テキストの例文を口に出して見たり、瞬間英作文をしたり、自身に関する英作文をしたり、色々な方法で「使える英文」を増やしてみてください。
面倒な学習ですが、頑張って続けていきましょう!
コメント